その方は10月の頭にはドクターへ手術を受けたい旨の連絡をしていたのですが、その時もらえた手術日が来週となっていました。それまでの間に支払いや飛行機の手配などの準備を済ませていて、やっとフィンランドに行く日を迎えることになったんです。
今年私の友人からフィンランドのリバーサル手術を受けに行くのはこれで4人目になります。
私の友人でフィンランドにリバーサル手術を受けに行かれたのはここ数年は毎年何人かいて、去年は2人、一昨年は4人の方が受けに行かれました。
今までフィンランドのリバーサル手術を受けた日本人は何人いるのかというのは私も正しくは把握しているわけではないのですが、一昨年受けに行かれた方がドクターに聞いたときには十数人という返答だったそうですから今でもフィンランドにまで受けに行かれた人というのはそれ程大きくは変わらず20人とかその程度の人数なのではないかと思います。
私がフィンランドでリバーサル手術を受けたのは2002年1月のことなのですが、当時は自己再生するというふくらはぎの神経を切り取って胸部に移植する術式でした。
私がリバーサルを受けた時の通訳さんは私より前に1人だけ同じ様に日本人でリバーサル手術を受ける人を通訳をしたということを聞いていたのと、私より2カ月後の2002年の3月にリバーサルを受けられた方は肋間神経を移植するという新しい術式だったそうなので、私と同じふくらはぎの神経を移植するという術式でフィンランドにリバーサルを受けに行った日本人というのは(断定はできないですが)恐らく2人しかいないのではないかと考えています。
ちなみにこのふくらはぎの神経を移植するという術式でリバーサル手術を受けたのはドクターのホームページを見ると51人ということが書かれています。アジア圏で10人ですね。
そのページを見ると、ふくらはぎの神経を移植するという古い術式と肋間神経を移植するという新しい術式の違いについてちょっとだけ、下記のように記載されています。
新手法による患者では、最も早ければもう1年後には最終的な回復イメージを得るための評価が可能である。しかし、第一の兆候から、回復がもっと迅速に、すでに数週間後に始まることが明らかになっている。ただし、本手法によっても、回復は長期間、術後数年にわたって継続することがある。
リバーサル手術というのはETSで切除した箇所に対して別のバイパスを作ってつなげ直すことですから、現実にはどのような術式で移植をしたとしても手の先頭の先にまで神経がつながって回復するために年単位の時間がかかるのは同じようにかかるんじゃないかと思っています。
でもふくらはぎの神経を取り出してそれをチューブに詰めて胸部に埋め込んで移植をするよりかは、胸部にある肋間神経を切り取ってそれを使って移植をする方が、バイパス箇所のつながり具合というのは良いのではないか、つまり早く回復しはじめるのではないかというのは私も思っていることだったりします。
私は2002年1月にリバーサル手術を受けたのですが、その年の8月、つまり術後7カ月経ったときに私に相談のメールをいただいた方へ出したメールがあるので、そのメールをここに記載します。
メールで質問いただいた内容
Subject: Dr.Telaranta(フィンランド)の紹介により
はじめまして、私は沖縄県在住の○○と申します。実はフィンランドのTelaranta
先生より貴方のメールアドレスをご紹介いただきました。
私は、当地 沖縄の病院で1994年に多汗症に対する交感神経遮断手術を実施
し、以後約8年間大変苦しい日々を送ってきました。
貴方がフィンランドで神経再生手術を実施されたとお聞きしました。どうか下記事
項について教えていただけないでしょうか。全く面識の無い貴方様に今回メールを
送っていることは大変失礼なことではありますが、貴方様しか私にとって相談できる
方はいらっしゃいません。お忙しい中大変申し訳ありませんが宜しくお願い致しま
す。
・フィンランドでの手術を受けていかがですか。
・貴方様の手術前、手術後の状況はいかがですか。
・フィンランドでの手術はどのような手術でしたか。
・日本の健康保険は適用されましたか。
・フィンランドの病院より頂いたメールの中にHorner’s Syndrome
(オーナーズの症状)とありますがどのような症状なのか、もし少しでも知っていま
したら教えて頂けないでしょうか。
そのときの私の返答
Subject: Re: Dr.Telaranta(フィンランド)の紹介により
Date: Sat, 10 Aug 2002 04:32:36 +0900
○○様
はじめまして。
お手紙ありがとうございます。
私は【まるとん】と申します。
神奈川県に住んでおり、○○歳です。
私は今年の1月にフィンランドでリバーサル手術を受けました。
私は手術のときに即効性がないこと、汗が出なくなるのに半年かかること、そのときま
で汗は減らないこと、1回ではなくその後も4~5ヶ月のサイクルで減っていくこと、
個人差があり3ヶ月ぐらいで効果が現れる人もいれば1年以上かかる人もいる等の説明
を受けています。
まだ手術を受けて7ヶ月ですのでどこまで汗が回復するかというご質問に答えられませ
んが効果は序々に出始めております。
私の場合はこんな感じです。
手術後3ヶ月位でまぶたが軽くなり、唾液の量も増え、背中が異常に熱くなる現象がほ
とんどなくなりました。
背中が熱くなることによる代償性発汗の助長はその頃消えました。
でも代償性発汗自体は残りました。
5ヶ月位には手の平のしわが取れ始め、顔から汗が出始め、何度も何度も神経がつなが
ったり途絶えたりの繰り返しでした。
つながる度に喜んでみたり汗でがっかりしたりの繰り返しでした。
6ヶ月たったときに腕に変化がありました。
それからつながったり途絶えたりというよりは足や腹から枯れていた頭や腕の神経に流
れ込んで行くという感触です。
2週間前はすごくゆっくりでしたが日に日に流れが速くなっている感触です。
今も汗が出だしたら止まらないのですが(ここにいたら汗が出そうだなと思ってから)
汗が出始めるまでの間隔は以前よりはずっと長くなり、(涼しいところに行ったときに)
汗が引くまでの時間や一度にでる汗の量もかなり減ってます。
手の平の汗は緊張したり握り込んでいると少しでますが腕からは全く出ないです。
半年後に汗が減るので我慢してくださいと言われており、実はもう来たのかまだ来てな
いのか良く分からないのですが汗が減るのが1回ではないことを励みに頑張ってます。
私も藁をもつかむ思いで手術を受け、もうまな板の鯉の様な状態ですから・・・。
「ここまで回復しますよ、安心してください」と言えないで本当にすみません。
でも私は手術をしたことに満足しております。
・手術について
技術的な面については案内を読まれていると思いますのでその他に気にされそうなとこ
ろといえばこんなところでしょうか。
<傷跡>
神経を取るためにふくらはぎ(私は右足)に横4~5cm位の傷が3ヶ所
胸部はETSの傷と同じ様な点状の傷跡が3、4箇所(既存のETSの傷跡も使ってる)
のでそこまで気にするレベルではないと思います。
<痛み>
足の傷は痛かったです。
1ヶ月ぐらいは走るどころかびっこがちでした。
手術のときにもらった痛み止めを飲まないと寝れない日が多々ありました。
でもしばらくすれば治ります。
・費用について
こればっかりはどうしようもありません。
私も兼平先生に言われたとき悩みました。
保険は効かずprivatix clinicとの個人契約となります。
私はUSドルで2万ドルかかりました(振り込み時254万でした)。
・入院にかかる全費用
・入院にかかる全費用
・フィンランドにいる間のホテル代
・通訳さんの費用
が含まれてます。
飛行機は10万ぐらい、それとタクシー代やら外食費やらその他がかかります。
スケジュールは手術いっぱいいっぱいではなく何日かは足は痛くてもヘルシンキめぐり
ができました(肺に水が入っていたということで2日退院が延びたのですがそれでも
3日間、周りたかったところが全部周るのに十分な時間がありました)。
・Honer's Syndromeは私も分かりませんでした。
通訳さんや兼平先生がおっしゃってましたがTeraranta先生はヨーロッパ中でrevarsal手
術をされ実績を持ってらっしゃり、政治力もある方だと聞いてます。
私もそれを信じております。
電話の件に関しましては私の状態がもう少しはっきりするか、○○様がどうされるか決め
られるまでお待ちできませんか?
メールでしたらお返事させていただきますので何かありましたらメールを下さい
これを読んでいただいた方にとっても参考になっていただけたらうれしいです。
では。
まるとん
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