全員から本人の許可をもらっているわけではないので、お伝えできる範囲のことを、私の責任で載せることにします。
フィンランドにリバーサルを受けに行ったけど、期待通りにつなげることのできなかった人のことについて、私は次のような状況の方を知っています。
①癒着がひどかったためにリバーサルができなかった人
日本人では現時点ではいないが、海外にはいるということです。
日本人で癒着がひどかったと言われたケースは1人いるにはいましたが、正しくは④の理由を持っており、癒着のみの理由ではありませんでした。
②T2 が深く切除されていたために T2 のリバーサルができなかった人
もし T2 の処置をしようとすればホルネル症候群になる恐れがあるために T2 の切除部分の処置ができなかったという人です。
ブロガー友達の tom さんがこれにあたり、T2 / T3 / T4 切除でしたが、T3 と T4 のバイパスのみ作ってきました。
他にも数人そういう方(ホルネル症候群の危険のためT2を処置できなかった人)はいらっしゃいました。
→その代わり、少なくとも私の友人の範囲には、リバーサルでホルネル症候群になってしまったという人はいないです。
③日本で神経移植を受けてフィンランドで再リバーサルを受けた人
この方は T2 / T3 / T4 切除の方で、下位の交感神経(T5 / T6)を移植元にして T2 と T3 の再建をしていました。
その後フィンランドにリバーサルを受けに行きましたが、処置することはできませんでした。
ドクターのアドバイスは「これ以上メスを入れない方がいい」でした。
→個人的には、下位の交感神経幹を利用する神経移植(リバーサル)は交感神経幹が一本にならないため、不適切だと考えています。
④同じ場所のETSを2度受けてリバーサルをした人
ETS後に代償性発汗を伝えたところ、同じ個所を再度深く切除することによって代償性発汗が軽減されるという説明で追加のETSを受けました。
しかし代償性発汗が軽減されることはなく、その後フィンランドにリバーサルを受けに行きましたが、処置することはできませんでした。
ドクターの説明は「神経があまりにも長く欠如していたことが理由です。経験によれば、そうした長い領域には、慎重な神経剥離以外に効果はありません。」とのことでした。
→上肢多汗症手術の管理-レビュー の 4.2.1.2.影響と副作用 にはこのように書かれています。「外科的技法もCSのリスクに影響すると思われます:分断のレベルが低く、交感神経切除の程度が小さいほど、CSの発生率は低いです」。したがって、個人的には、このような同じ個所を複数回切除する手法は代償性発汗(CS)を増やすため、不適切だと考えています。
⑤T3~T5 切除だったが Lin-Telaranta 手法で T1 と T3 をつなげた人
T4 がひどく焼かれていたためにその処置を行ったとのことです。
ドクターのアドバイスは「下側の神経節の間のインパルスを運ぶたくさんの神経の担保がある」でした。
※まさむねさんが リバーサル手術後の経過報告用コメント広場 Page.6 で報告しています。
⑥神経は切れていなかったために神経剥離のみ行った人
※あっつさんが リバーサル手術後の経過報告用コメント広場 Page.6 で報告しています。
その他にも T2 の100%遮断と T3 の部分遮断で、T2 のみつなげた人もいました。
その方へのドクターの説明は「切除箇所が異なっていた(つまりT3は切れていなかった)」でした。
→部分遮断というのがどういう状況なのか私はよくわかっていません。昔50%遮断とか100%遮断とか言った言葉が流行りましたが、最近はこのような用語は聞かないです。部分遮断について、分かる方教えていただけたらうれしいです。
⑦手の汗のためにT4を切除したが、リバーサルを受けたらT2が切除箇所だった人
フィンランドにリバーサルを受けに行ったら聞いていた切除箇所と実際の切除箇所が異なっていたという人です。
リバーサル手術で問題なく T2 のバイパスを作ることはできました。
→上肢多汗症手術の管理-レビュー の 4.2.1.1.外科的アプローチと技法 には「手の汗の切除対象は T2 / T3」と書かれています。したがって、個人的には、手汗のために T4 を切除対象とすることは不適切だと考えています。
まるとん
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私がフィンランドでリバーサル手術を受けてからの状況をまとめたものです。
リバーサルを受けた皆さまへ
もし良かったら最近の調子などをコメント広場に書いていただけたらうれしいです。
This blog is a summary of the situation since I took ETS reversal surgery in Finland.
Almost written in Japanese but several articles written in English.
you can read from English articles tab.
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