2017年11月6日月曜日

リバーサル手術で肋間神経を移植に使って大丈夫なのか?

これもよく聞かれる質問です。
なので、これについて、考察してみたいと思います。

※注意※
私は古い術式(肋間神経ではなくふくらはぎの神経移植)でしたので、私自身の経験を踏まえた説明ができないです。また、私は医者でもありません。あくまでも調べたこと、私が考えたことをまとめてみますので、あとはドクターに問い合わせたり、実際に肋間神経の移植で受けた人たちから話を聞いたり(今では私以外にもブログを持ってる人はいますからね)、自分自身で調べたりもして、最終的にはご自身で判断してください。

肋間神経とは
  • 肋骨と肋骨の間(肋間)を走る神経(肋骨の中ではない)。
  • 肋骨は左右12対あるので、肋間神経は左右11対ずつ存在(第12番目の肋骨の下を走る神経は肋間神経ではなく肋下神経と呼ばれる)。
これを自律神経(交感神経と副交感神経)の図から特定します。
  • 左側の赤いラインが交感神経系(胸椎・腰椎から出ている)
  • 右側の青いラインが副交感神経系(中脳・延髄・仙椎から出ている)
交感神経系の胸椎の部分を拡大するとこうなります。

  • T2神経節を切除したことを想定した図
  • 第3肋間神経を移植に使うとした場合(黄色の部分が切り取られる)
この第3肋間神経は心臓や咽頭/気管/気管支といった箇所に向かっているので、心拍などに影響する可能性がありそうです。交感神経なので、例えば緊張した時に脈拍が上がると言った機能があるか思いますが、そういったところへの影響ということです。

ただし、第1肋間神経から第4肋間神経のいずれも心臓へは向かっているようですから、1本だけで機能が完全に止まるということまでは無いんじゃないかと思います。(残された神経はその分余計に強く働くとも思いますし。)

ただ、ETSでどういう風に切除されていたかとか、どういった状況になっているかによって、その他ドクターの判断によって、使用する肋間神経の位置は変わるかと思います。

肋間神経は主に次のように向かっているようです。
第1~第4:心臓、咽頭/気管/気管支など
第5~第11:食道/胃、腹部の血管、肝臓と胆管、副腎など
つまり、どの肋間神経を使うかによって、その影響は異なると思います。(T4切除の人は第5肋間神経を移植に使うので、影響する臓器は胃や肝臓などになる、といったことです。)
※心臓とは反対に、消化器官は緊張すると機能しないように交感神経は働くみたいです。(闘争本能が働いた時はお腹すかない)

ちなみに私は右T3/T4、左T2/T3切除なのですが、自分ではこういう風に切れていたんじゃないかと思っています(確認はしてないです。あくまでも想定です。)

  • 要は神経節を切っているか、それとも神経節と神経節の経路を切っているかなんだけど、複数個所の切除なので、経路なのではないか?ということです。(根拠はないですが・・・)
  • あと、私は肋間神経ではなく、ふくらはぎから神経を持ってきました。


リバーサル手術でつなげる先の神経

リバーサル手術でバイパスを作ることによって、交感神経幹が1本になり、上部(上頸神経節)に向かう交感神経がつながります。

この部分は主に以下の箇所へ向かう交感神経となっています。
頭部の各器官(目、涙腺、鼻と口蓋の粘膜、顎下腺、舌下腺、口粘膜、耳下腺など)

交感神経ですから、気力といったメンタル面、それと忘れてはならない手汗にも影響していますね。


肋間神経を切除して痛みはあるのか?
これも合わせて良く聞かれます。
私は経験していない質問なのですが、受けた人達のコメントを総合するとこうなります。
  • 受けて2~3日は痛みはかなり激しい(ホテルでの休養が必須)。
  • 帰国する頃にはかなりの人がだいぶ良くなっている。
  • 術後疼痛が数カ月残る人もいるが、生活には支障がない程度。
  • 姿勢を変えたり咳き込んだりするときにピリリと言う感触が残ったという人はいるが、最終的に激しい痛みが残ってしまったという人は(私は)聞いたことが無いです。
コメント広場では何度か書いていますが、記事でもここにまとめておきます。


まとめ
つまり、肋間神経を失うことによる影響はあるにはあると思います。
ですが、
  • 内臓に向かう肋間神経は複数あって、相互に補完しあっている
  • 痛みは一時的
  • 手の汗が元に戻った日本人は(現在のところ)一人もいない
  • 「失う肋間神経の影響」よりも「つなげた個所への影響」の方がはるかに大きい
ため、価値があるんじゃないかということです。

では。

まるとん

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