2019年11月1日金曜日

まなかさんのリバーサル手術記

先週リバーサル手術を受けて来たまなかさんから、リバーサル手術時の手術記を書いてもらいました。

私のブログに載せることについて了解をいただいたいので、ここに載せます。


10月24日

10:00にティルッカ病院へ来るように言われていたので、9:26のトラムに乗り9:45頃に病院へ到着。
2Fの受付の人は対応中だった為、そのまま4Fへ向かいました。
ドアのチャイムを2回鳴らしたらナースの方が出てきてくれて、着替えの部屋へ案内され、その後通訳さんとお会いしました。
挨拶を交わしてすぐ問診票の記入です。
問診票は英語かフィンランド語表記で書いてありました。通訳さんが読み上げてくれて、それに私が答える形です。
既往歴、持病、アレルギー、手術歴など聞かれましたが、これだけ?と疑問に思ったので、術前採血やレントゲン撮影はないですか?って質問をしたら、通訳さんが確認をしてくれてやはり無いとのお返事。
ここでフィンランドは信頼社会という話を聞きました。


少ししてから執刀医のランタネン先生とお会いして、診察開始です。穏やかで笑顔が優しいドクターです。しかし会ってすぐ脂肪が取れるか分からないよと言われショックを受けました。

診察内容は以下です。
・問診票の内容を再度確認
・ETS後のエネルギーの消失具合
・代償性発汗の量や範囲
・手と頬の汗の量を機械で測定
・血圧測定
・脂肪吸引の確認
・質問タイム

診察中にナースが1人入ってきたのですが、ランタネン先生の奥様でした。その後触診に移り2人で脂肪吸引ができるか確認をしてくれて、体にマークを付けられました。結果は脂肪は取れるとの事。ここでやっと安心。
最後に質問タイムに移ったので、Q&Aにまとめた内容を聞きました。どの質問も丁寧に答えてくれました。


診察が終わって、今度は麻酔科のドクターと面談です。こんにちはって日本語で挨拶してくれました。
とても気さくなドクターです。ずっと私の目を見て話をしてくれるので安心感があります。

・以前の手術で麻酔後に何か問題はなかったか
・アレルギーはないか
・心配事、質問はないか
などを確認されました。このドクターは心臓、脳外科の手術にも携わっているドクター。
もう心配事が無くなった私は、全てをお任せしますと伝え、ドクターからはとても落ち着いてるねと言われ面談は終了しました。


11:20 同意書を記入して、痛み止めを飲み、手術台へ上がります。
髪が邪魔しない様にキャップを被り、
脳波を測定する為の機械を額に付け、
血流を測る機械を人差し指にはめ、
点滴を入れる針を腕に刺されました。
寒さで血管が収縮していたのですが、一発で点滴の針を刺すので、密かに感動していました!
麻酔をかける前にnervous?って聞かれましたが、一応nervousと答えておきました。
(私はメンタルも痛みにも強いので、もうここまで来ると怖い物なしです)
麻酔のマスクをされて視界がボヤボヤしてきたら、5秒くらいで記憶はなかったです。


目が覚めたのは手術から7時間後くらい。通訳さんの言葉で目が覚めました。
・手術は成功した
・T4切除ではなくT3が切除されていた
・癒着が酷く、剥がすのに時間がかかった
・幹細胞は無事に取れた
・3番の肋間神経を使い、T3とT2を繋げた
上記のような事を言っていたはずです。
安堵したのも束の間、麻酔のせいで意識が朦朧としていましたが、その直後に感じた事のない寒さが来ました。体が異常なほどガグガクしていたと思います。

知らぬ間に眠っていて、今度は暑くて起きました。
電気毛布を入れてくれていました。
右腕には血圧計、左腕には点滴、鼻には酸素チューブ、お腹にはコルセットの状態。
まだ麻酔が効いていましたが、無理やり起きナースに携帯を取ってもらい、みんなに成功した連絡を入れました。
その後ナースに付き添ってもらいトイレに行ったのですがフラフラ、また術前に飲んだ痛み止めのせいか気持ち悪くて吐きそうでした。何回かこの繰り返し。
夜に痛み止めを点滴の中に入れてもらい、麻酔も抜けてだいぶ調子も良くなったらトイレもひとりで行ってしまう程になりました。


そして肝心な術後の症状ですが、ETS後とは比べ物にならないほど痛かったです。
・肺や肋骨が痛くて呼吸する度に苦しい
・痰が絡んでいて声が出しづらい、篭る
・痰のせいで何度も咳をする(これがまた痛い)
・脇、背中、胸、横っ腹に感じた事のない痛み
・お腹と太ももの痛み
・太ももに打撲のようなアザ
とにかく上半身は痛くて強打したみたいでした。
起き上がる、寝転がるという動作が1番しんどい。
一旦体を横に向けてから動かすと動きやすかったです。
太ももからの方が脂肪吸引の量が多かったせいかアザは至る所にありましたが、足は普通に曲げたり伸ばせたりできました。
あと麻酔が抜けて気付いたのですが、知らぬ間に頭のモヤモヤも取れていました。スッキリです!
でも神経の流れる感覚は全くありませんでした。


夜中は眠れずにいたらナースの方がお話に付き合ってくれました。その後軽食(ヨーグルト、フルーツジュース、水)を持ってきてくれて2回目の痛み止めを服用。
30分ほどすると気持ち悪くなります。
少し和らいだら、軽く眠ることができました。

8:30 痛みは変わらずですが何とか体を起こして朝食(パン、緑茶、牛乳、チョコレート)を頂きました。
その後3回目の痛み止めを服用。今回は胃薬もくれましたが、また30分ほどすると気持ち悪かったです。
少し横になったら眠っていました。

11:00 ナースから通訳さんへ電話をすると言われて、電話でお話ししました。
・何時に退院したいか
・鎮痛薬の飲み方
・ドクターが診断書を記入してくれた事
・ドクターから手術時のコメントをもらっている事
・その他注意点
内容はこんな感じです。
電話の後に鎮痛薬、お願いしていた診断書(生命保険の書類)、ドクターから手術の詳細コメントを貰いました。

12:00 昼食(サラダ、クスクスみたいな物、パンナコッタ)を頂きました。
12:30 痛みに耐えながら着替えを済まし、ナースがタクシーを呼んでくれました。抱き合いながら挨拶をして無事にホテルへ帰ってきました。


手術はこのような流れでした。
今は術後から1週間が経ちました。
体の症状は、
・肺や肋骨の痛みは軽減し、呼吸も楽になった
・深呼吸をするとまだ違和感がある
・くしゃみは肺が痛む
・声が篭ることもなく、痰も出ない
・お腹、太ももの痛みもだいぶ軽い
・太もものアザは紫色になってきた
・脇や胸は切った傷のせいで感覚が鈍い
・この傷でせいか脇の下が1番痛む
・寝たり、起きたりがだいぶスムーズになった
・脂肪吸引のせい?なのか足が冷える(元々冷え性です)
・頭はスッキリしていて軽い

神経に対しては、
・術後3日してから背中〜脇にかけて神経の流れる感覚あり
・術後4日目は右目のまぶたの上が半日ピクピクしていた
・右側の方が神経の流れる感覚が強い
・たまに腕にザワザワっとした感覚が来る

発汗については、
・渡航中、シャワーを浴びた後の汗の量や範囲が減った気がした
・帰国後、入浴後の代償性発汗が背中のみになった
・今のところ足の汗は1回も出ていない
・就寝中に下半身の汗がすごい日が1日あった
(一時的に代償性発汗が増えると言われています)
・味覚性発汗も減少
・入浴中、鼻横にうっすら汗を確認

感じる症状はこのような感じです。
ただ発汗については、その日の体調や気温が大きく関係している為、改善しているかはよく分かりません。これからも様子見です。


追記
まなかさんはリバーサル手術時にドクターに質問したことや気になったことをQ&Aにまとめてくれています。その記事は コチラ

7 件のコメント:

  1. 記事のアップありがとうございます!

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    1. 非常に良くまとまっていて素晴らしいです。

      同時期に受けた ゆーこさんの手術記バッキーさんの手術記 と合わせて読むと良いですね。

      私が読んで気になった点をまとめると。。

      ・ドクターの問診で「ETS後のエネルギーの消失具合」を聞かれたこと
      →テラランタ先生はETS手術の後遺症に「破棄の消失(Loss of Energy)」を挙げていましたが、ランタネン先生も同じ様に考えているのかなと思いました。

      ・「手と頬の汗の量を機械で測定」ですが、多分その機械はVapometerという経皮水分蒸散計だと思います。でも、日本ではこういった機器による測定はあまり聞かないですね。。

      ・「T4切除ではなくT3が切除されていた」ことは事前にその可能性をまなかさんにも伝えてましたが、実際そうだったということでそのETS手術執刀医(福岡おだクリニック)に対していきどおりを感じますね。。。
      私が知っている範囲で今までに福岡のおだクリニックでETS手術を受けその後フィンランドでリバーサル手術を受けた人をまとめると以下の通りです。
      ・黄苺さん:おだクリニックでT4遮断をしたが、リバーサル手術を受けた所右T2左T3と言われた。→報告は コチラ
      ・りえさん:おだクリニックでT4遮断後リバーサル手術を受けた。フィンランドのドクターから実際にT4遮断だったことを伝えられた。アンケート術後報告
      ・ヒロさん:おだクリニックにT3遮断を依頼した。リバーサル手術ではT3をバイパスした。→術後報告
      ・サイさん:ブログ「手汗で交感神経遮断手術を受けて(rhinoceros-magazine.com)」の管理人。現在ブログは閉鎖。→T4遮断を受けていたがリバーサル手術を受けた所T3遮断だったことを伝えられた。
      ・まろさん:おだクリニックからはT4遮断と言われていたが、リバーサル手術を受けた所T3遮断と言われた。Twitterの報告
      ・けっちんさん:T4遮断を受けていたが、リバーサル手術では複数遮断されていたことを伝えられた。→術後報告
      ・まなかさん:おだクリニックでT4遮断を受けていたがリバーサル手術を受けたらT3遮断だった ← 今回

      ・術後すぐに頭のスッキリした感じが得られたのは良かったですね。全ての人がその感じを得られるわけではないみたいなので。。
      実際私もその感じは得られなかったです。

      ・神経の流れる感じも早いなぁと思いました。私が神経の流れる感じを感じたのは術後数カ月(3ヶ月ぐらい?)経ってからになります。

      順調そうでなによりです。
      今後時間をかけてになると思いますが、みんなで一緒に回復できるようがんばりましょうね。

      まるとん

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    2. サイさんのブログ「手汗で交感神経遮断手術を受けて(rhinoceros-magazine.com)」が現在は閉鎖されてると書きましたが、URLが変更されてました。
      現在のURLは rhinoceros-magazine.net です。

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    3. おだクリニックに問い合わせをしたまろさんのTweetがこちらにあります。
      https://twitter.com/maro11141114/status/1297360986802778117

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    4. こちらもおだクリニックで受けたのち、リバーサル手術をフィンランドで受けた方になります。
      https://twitter.com/sa25556153/status/1449221091709177859
      →ETSではT4と伺っていましたが、実際はリバーサル手術を受けてT2とT3の間(T3寄り)でした。

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  2. ・エネルギーの消失具合については、通訳さんの言い回し方もあるかもです。
    私は自律神経失調症のような症状が出たこと、落ち込む事が多くなったこと、自殺願望が出てしまったこと等を伝えました。

    ・Vapometerを調べたら同じような機械だったので間違いなさそうです。

    ・小田クリニック以外も含めるとかなりの人数がいらっしゃってびっくりです。本当に憤りを感じます。
    手術が終わって沸沸と怒りが湧いてきますね。今まで何千例と手術をしている訳だからきっと執刀医は分かってT3を切ったと思います。ここの院長は確かにT4切除をすると伝えたし、同意書にももちろん書いてあります。更にリスクを回避するために片手の手術を勧めてきました。何回も片手にしなさいと言われました。
    馬鹿な私はそれを押し切って両手手術を希望しましたが…。
    勝手な憶測ですが、きっとこの院長は代償性発汗で苦しめと言わんばかりの手術をしたと思います。向こうは自業自得くらいしか思っていないはずです。
    ETSが日本からなくなることを切に願いますね!

    ・ETS後はこのモヤモヤがとても酷かったです。しばらくして半減しました。また少しでもテンションを上げるとなくなるんですよね。不思議な得体の知れないものでした。
    このモヤモヤが来ると同時に鬱っぽくなります。何かうつ病等とリンクしているかもです。

    ・神経の影響だと思いますが今は体の至る所でピクピクしまくっています!
    また報告しますね!

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    1. 遮断箇所の判断についてはETS手術をした医師とそれを判断したリバーサル手術医との間の問題になるかと思うので、当事者ではない私がこれ以上あれこれ言うことは控えますが、このように「リバーサル手術を受けたらETS手術に聞いていた場所とは異なる場所が切除されていた」という術後報告を聞くのはおだクリニックで受けた人が圧倒的に多いです。まったく聞いたことがないわけじゃないんだけど、上に書いた5つ以外に私が知ってるのはあと1件だけですね。とはいえど、つい数日前に聞いたばかりの話ですけど(まなかさんも聞いてた通り)。。。

      また体調の変化を感じた時でも気が向いた時でも、状況を伝えていただけたらうれしいです。
      報告待ってます。

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