そもそものイオントフォレーシスとは
- 薬を皮膚から体内に送り込むのに電流を使って行う技術。
分子構造が大きい薬品は「角質」がバリアとなって経皮吸収できないが、薬品を水に溶かし、電気を流して薬品をイオン化させることで角質を通過させる。イオン化して荷電した薬品が電流に反発する力で皮膚の奥に浸透するため電流が強いほど吸収量は増える。
だけど多汗症で行われる水道水イオントフォレーシスには「薬品」がないです。
そのため「なんで?」となるわけですが、いくつかの理論はあるものの「何故汗が減るのか?」という原理は明確には解明されていないようです。
多汗症に対するイオントフォレーシス治療の歴史
- イオントフォレーシスによる薬の経皮吸収は古くから行われていた。
- 1936年に日本の市橋教授(Ichihashi T)がアトロピン、ヒスタミン、ホルムアルデヒドといった薬品を使ったイオントフォレーシスで手掌多汗症に効果があることを発表した。
- この発表は当初注目されることはなかったが、1952年にボウマン(Bouman )とグリューンヴァルト レンツァー(Gruenwald Lentzer)が薬品を添加しなくても多汗症に効果があることを発見したことで見直された。
イオントフォレーシスが多汗症に作用するいくつかの理論(仮説)
- 電気勾配理論(Electric gradient theory):イオントフォレーシスが、イオン勾配(ionic gradient)のために、汗腺に沿った通常の汗の動きを乱す。
- プラグ理論(Plug theory):角質層のレベルで汗が機械的に遮断されることによって発汗が抑制される。
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