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2013年11月26日火曜日

Wikipedia の "ホルネル症候群" (Horner's syndrome)の日本語訳を作りました

Wikipedia のページを翻訳しました。今回はホルネル症候群(Horner's syndrome)です。
ホルネル症候群は日本語のウィキペディアにも記載があります(日本語版へのリンクはこちら)が、記述内容は若干異なっていて、英語版の方が詳しく書かれています。

Wikipedia の規則上、英語の文章を翻訳したものは GNU Free Documentation License の範囲で自由に公開することもできるドキュメントになるということです。その代わり、この文章の著作権は引き続き Wikipedia が持っていることになります。

以下は 2013.11.26 時点の文章を私なりに噛み砕いて訳したものとなります。

ホルネル症候群(Horner's syndrome)

ホルネル症候群は、まぶたの下垂(眼瞼下垂症)や瞳の収縮(縮瞳)であり、時には同じ側の顔の発汗減少(無汗)も伴うこともあるもので、目の結膜の充血もしばしばみられます。外見上の眼球陥入も頻繁に起きる症状です。これは自律神経系の一部である交感神経系に問題があることを示しています。問題点を特定するため、根本原因を突き止めるために、医療用画像や特別の点眼薬の反応を必要とすることがあります。

徴候と症状(Signs and symptoms)

顔の影響を受ける側で患者に見られる兆候としては、以下が挙げられます。

・部分的な眼瞼下垂(ミュラーの筋肉としても知られる上部瞼板筋に働きかける交感神経支配の喪失から上まぶたの下垂)
・逆さまの眼瞼下垂(下眼瞼のわずかな上昇)
・無汗症(顔の影響を受けた側の発汗減少)
・縮瞳(瞳孔が小さくなる)
・眼球没入(目が沈んでいるという印象)
・毛様体脊髄反射の喪失
・充血した結膜、病変の部位による。

時に皮膚の下の血管が拡張することによって顔の影響を受けた側で紅潮することがあります。瞳の光の反射は、副交感神経を介して制御されるので、維持されます。

子供でホルネル症状が起きた場合、2つの目の色が異なるという、異色症を発症することもあります。これは子供の交感神経の刺激の欠如が虹彩表面の支質でメラニン細胞のメラニン色素の沈着を妨げることによって発生します。

獣医学において、兆候は三番目のまぶたの部分的なふさがり、あるいは瞬膜といったことを含むことがあります。

原因(Causes)

ホルネル症候群は疾患の結果として起きるばかりでなく、先天性であったり、医原性(医療によって発生する)のものであったりすることもあります。ほとんどの原因は比較的良性ですが、ホルネル症候群は首や胸の重篤な病気(肺の頂点で起きるパンコースト腫瘍や甲状頸部の静脈拡張など)が反映したものとなることもあります。

・首や胸の交感神経の一方の傷害や圧迫によって引き起こされるケース。この場合には傷害が起きた側でのみ症状は発生します。
・外側髄症候群
・群発頭痛 - ホートン頭痛という用語でも組み合わせられます。
・外傷 - 首の付け根、通常は鈍的な外傷、あるときは手術。
・中耳炎
・腫瘍 - 良く起きるのが、肺の頂点で起きた表面の亀裂(パンコースト腫瘍)の気管支原性癌。
・胸部の大動脈瘤
・神経線維腫症1型
・甲状腺腫
・解離性大動脈瘤
・甲状腺癌
・多発性硬化症
・星状神経節上で頸肋牽引(首と肋骨を引っ張ること)
・頸動脈解離
・クルンプケ麻痺
・海綿静脈洞血栓症
・交感神経切除
・脊髄空洞症
・頸部神経嚢ブロック、星状神経節または斜角筋ブロックといった神経ブロック
・胸腔ドレナージの合併症として
・ホルネル症候群が片頭痛発作の間で起き、そしてその後緩和されるといったこともありえます。

病態生理学(Pathophysiology)

ホルネル症候群は交感神経の活動が不十分であることによるものです。交感神経の流れを傷つけられた側は、症状が起きたのと同じ側にあります。以下はホルネル症候群を発生させる条件の例です。

・一次ニューロン障害:視床下部脊髄路を含む中枢神経の傷害(例えば頚髄の切断)
・二次ニューロン障害:節前神経の傷害(例えば肺腫瘍による交感神経鎖の圧迫)
・三次ニューロン障害:内頸動脈のレベルでの節後神経の傷害(例えば海綿静脈洞の腫瘍や頚動脈解離)
・三次ニューロン障害の場合には、発汗の停止は額の中央部分に限定しているかまたは発生せず、それゆえ部分的ホルネル症候群となります。

もし体の一方だけに影響を与える腰の上の発汗障害を持っていて、臨床的に明らかなホルネル症候群の症状をを持っていない場合には、傷害は交感神経鎖の星状神経節のちょうど真下にあります。

診断(Diagnosis)

ホルネル症候群の存在と重症度を測るのに3つのテストが役に立ちます。

・コカイン点眼テスト:コカイン点眼薬はノルエピネフリンの再取り込みをブロックし、通常の瞳孔において拡張をもたらします。しかし、ホルネル症候群ではシナプス間隙によるノルエピネフリンの欠如のため散瞳の障害が発生します。より信頼されそしてコカインを入手する困難さを排除した最近紹介された手法は両眼にアルファ アゴニスト アプラクロニジンを適用し、ホルネル症候群の影響を受けた側の(過敏になることによる)散瞳効果の増加(コカイン点眼テストがホルネル症候群の際に起きる効果とは逆の効果)を観察することです。

・Paredrine(パラヒドロキシアンフェタミン)テスト:このテストは瞳孔縮小の原因をはっきりさせるのに役立ちます。もし三次ニューロン(シナプス間隙にノルエピネフリンを放出する経路にある3つのニューロンの最後)が無傷であれば、アンフェタミンは神経伝達物質の放出を引き起こし、シナプス間隙にノルエピネフリンを放出し、その結果影響を受けた瞳孔のひどい散瞳を引き起こします。もし三次ニューロン自体が傷害であれば、アンフェタミンの効果はなく、瞳孔も収縮したままとなります。1次ニューロンや2次ニューロンの傷害を区別する薬理試験は存在しません。

・拡張ラグテスト

ホルネル症候群によって引き起こされた眼瞼下垂なのか、動眼神経の傷害lによって引き起こされた眼瞼下垂なのかを判別することは重要な事です。前者では、眼瞼下垂は収縮した瞳孔(目への交感神経の喪失によって)で発生し、一方で、後者では、眼瞼下垂は散瞳(瞳孔括約筋に対する神経支配の喪失によって)で発生します。臨床現場では、これら2つの眼瞼下垂はかなり簡単に見分けることができます。CNIII(動眼神経)の傷害による固定瞳孔に加えて、この眼瞼下垂は目全体を時に閉塞してしまうはるかに深刻なものです。ホルネル症候群の眼瞼下垂は、かなり軽度であるか、あまり目立たないもの(部分的な眼瞼下垂)です。

瞳孔不同症が発生し、異常な瞳孔が収縮しているのか拡散しているのかはっきりしないような時、もし片側だけが眼瞼下垂となっているのであれば異常な瞳孔が眼瞼下垂となっている側であることを推定することができます。

歴史(History)

1869年にこの症状のことを始めた記載したスイスの眼科医の Johann Friedrich Horner にちなんで命名されています。それまでにもいくつかはそれ以前にも記述されたが、ホルネル症候群("Horner's syndrome")がもっとも普及しています。フランスやイタリアでは、Claude Bernard がこの症状に由来しています。(クロード・ベルナール・ホルネル症候群:"Claude Bernard-Horner syndrome")

訳:まるとん

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