多汗症という項目自体は日本語版 Wikipedia にもあるのですが、書かれていた項目がちょっと違ったのでその違いについて見てみようと思います。
※なお、2013.11.3時点の記載を基にしています。
全体的に英語版の方が広く細かく記載されてました。
日本語版は手足、脇、頭の局所多汗症に絞って書かれていたのですが、英語版では全身多汗症についても局所多汗症についても原因となる疾患のことなどまで書かれていました。
手の汗のレベル(レベル1~レベル3)は日本のページに書かれてましたが英語のページにはありませんでした。日本独自の基準なのかなと思いました。
治療方法については日本語版ではメジャーなものを箇条書きで載せていただけでしたが、英語版ではかなり詳しく述べられていました。
薬
・塩化アルミニウムについては、カナダの多汗症諮問委員会のガイドラインでは「サリチル酸」の含まれたジェル(aluminium chloride hexahydrate salicylic acid gel)を推奨しているということです。調べるとこの Hydrosal Pro というものはそんな成分となっているみたいでした。
・A型ボツリヌス毒素(つまりボトックス)は脇の下に使う分には米国食品医薬品局(FDA)に認可されているそうですし、抗コリン剤はプロバンサインが有名ですけどそれに限らずたくさんのものが書かれてました。オキシブチニン(ブランド名 Ditropan)は効果が確約されていると書いてありましたし、Ditropan XLは長期的な服用で汗を減らす効果があると書いてありました。※日本ではプロバンサインが一番有名なんじゃないでしょうか。プロバンサインについて も参考にしてみてくださいね。
さすがにボトックスも抗コリン剤も amazon では売ってないみたいです。個人輸入代行のサイトとかで買えものもあるみたいですが・・・
外科手術
・脇の治療については、英語版には脂肪吸引、ベイザー波、レーザーといったものが書いてありましたが、マイクロ波(ミラドライ)は日本語の方にだけ書いてありました。アメリカでも MiraDry は行われているようですから、やはりここの情報は古いといっても良い気がします。
・ETS についてですが、日本語の方では各治療法をリストアップした中でそれぞれ一長一短があるということだけ述べられていました。英語の方は詳しく書いてあったのですが、手の満足度は 80% を超えている、そして生活の質が落ちる程の後遺症は1~51%となっているが「ほとんどの人は代償性発汗が耐えることができる」と書いてありました。
私は耐えられませんでした。同じように耐えられないというたくさんの人を知っています。私はこの数値を書いてある通りに受け止めることはできないと思っています。それを後押しするのが、さらに副作用には、味覚性発汗(25%未満)といったことも書いてあったことです。
Wikipedia の"代償性発汗"の項目を訳した時、そこには「異常な味覚性発汗は交感神経切除者の73%にまで及んでいて、両側切除を行った場合にはとりわけ一般的なものとなっています。」と書かれてました。
・腰部交感神経切除についてですが、ここには 成功率は約 97% と書かれてます。私はアルコールを使った遮断をしたことがありますが足の汗には全く効果がありませんでした。アルコール遮断と物理的な切除とは異なるのかもしれないというのは思うのですが、この数値も何か条件があるのではないかと感じています。
非外科治療
ここに書かれているイオントフォーレシスは私は実際に行って効果がありました。
「劇的な効果を得られる人がいる一方で全く効果のない人もいます。」と書いてありますから、人それぞれですが、私は(ダメ元だったとしても)これを行ってみることを勧めています。※Drionic (ドライオニック)について 参照
・「局所多汗症はアメリカの人口の 2.8% と推定されています」という部分ですが、この出典をさらに追いかけていくと、「そのうちの51%が脇の多汗症、足が29%で 手が25%、顔が20%」と書かれていました。つまりこのデータで言えば手のひらの多汗症は 2.8% のさらに 25% ですから 0.7% となっています。この資料は 2005年のものとなってました。資料によってこういった値は違うので参考程度にするぐらいがいい気がしています。
では。
まるとん
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